宴会の席ではみんな・・・








「春ですね、皆さん」


『そうだね、春だね』

「桜が咲いてますね、皆さん」

『うん、咲いてるね』

ー酒持って来い!』




春。

桜が満開でとっても綺麗な時期。

今は、新選組の皆さんとお花見中です。

久しぶりに息抜きで皆さんとお話できるのにみんなお酒呑んでしまってこんな状態。



「はい!」



疑うほどのスピードで用意したお酒がなくなっていく。



ちゃんおいで』

「…沖田さんはどうしてお酒呑んでないんですか」

『ん?それは、ここでみんな呑むって分かってたからだよ、
じゃ、 ちゃんを独り占めできるし』



この人は…恥ずかしいこてをサラッと言うな…


「…」


『みんな浮かれすぎだよね』

「…」

『ま、そうしといてほしいけどね、何処か行こうか?』

「え?…ぁ」

『総司…!アンタ…また、 を振り回す気か?
!俺の傍にいるんだ!最近、俺は変なキャラで通ってるし…
何故俺がこんな役をしなくてはいけないんだ?』


『一君?ヤケ酒は良くないよ?みんなに迷惑かけるからね』


「斎藤さん…?大丈夫ですか?」


『俺が嫌いだって……?そんな…』

『誰もそんなこと言ってないよ一君…』

『総司!俺の了解なしで に触れるたぁどういう了見だぁ!?』


ぞろぞろとみんなが集まってくる。


沖田さんピンチ!


『どーして ちゃんに触れるのに土方さんの許しを貰わなきゃ駄目なんですか?
ほら、土方さんにはこの酒あげますから大人しく座って呑みましょうね』





『……おまえ……』






沖田さん…そんな対応じゃ、土方さん怒っちゃいますよ!


『良い奴だったんだな…ありがとさん』


『良い子』

あれ?鬼の副長があんなアッサリ…

頭なんか撫でられちゃってるし!


何だかすごく嬉しそうだし…


しかも、沖田さんの目、すっごく土方さんを見下してるように見えます!


『そーじ…はじめくんをなかしたなーおれがかたきをうってやるぅ』

「平助くん!危ないよ!こんなとこで刀抜いちゃ…!」

『あ、そーじこんなかわいいおんなのこをひとりじめしようとはゆるせんやつ!』



フラフラになりながら刀を振る平助くん。



すごく危ないよ!



『平助!危ないなぁ!しかも台詞が全部平仮名ですごく読みにくいんだけど!』


『しかたなぃ…だ…ろ…ぉ』


『おっと…急に寝るなよ…』


平助くんは刀を振り回した後急に爆睡にはいる。

『これで… ちゃん行こうか…』



「沖田さん…大丈夫ですか?すごく疲れた顔してますよ」


『大丈夫だよ』

『大丈夫なわけねぇだろ、呑め!

なぁ、そーじ…旨いだろ?特別に俺が飲ましてやってんだぞ?
何なら口移しでもいいぜ?感謝しろよ!』

後ろから原田さんが沖田さんの首に腕を回し、
もう片っぽの手で沖田さんに無理やりお酒を呑ました。

『うわっ、んん!さの…んぁ!佐之さん!』


すごく怒ってるみたいだけど、すぐに顔が赤く染まっていく。


『ぁ、 ちゃんだぁ…どーしてそんなに遠くにいるの?もっと近くにおいで…?』


沖田さんの潤んだ瞳で私を見つめる…。


『なんで来てくれないのさ…』


ムスッと不満そうな顔を浮かべる。

ぐいぐいと迫る沖田さん。

そんなに遠くない距離なのに…!

沖田さん!鼻が当たりそうです!


「沖田さん…!」


『なーに?』


「離れて…」


『お前らなにやってんの?』

「永倉さん!みんな酔っちゃって…」

『はぁ…ほっとけうぜ、コイツら…
それより此処らへんにうまい茶屋ができてっから行ってみようぜ』


「はい!」




後から分かったこと。

カッコイイ土方さんでも、

クールな斎藤さんでも、

優しい平助くんでも、

頼りがいのある原田さんでも、

意地悪な沖田さんでも、

宴会の席ではただの酔っ払いになってしまう…

「お酒って怖いですね」

『あ?』