嘘を吐いていた






「何を隠してんですか?最近少し変ですよ」




『何にもねェよ!』



「隠してます!」



『何回言ったら分かるんだ?!隠してねェって言ってるだろ』


「でも…」


『うるせぇ!!出ていけ!』


「……っ……」


パシッと襖を閉める音が胸に響いた。


『…泣いてた…な…』


が持ってきた冷たい茶を一口飲むと一瞬で身体が冷えた。


アイツはいつも熱い茶を持ってくる…きっとこの茶も熱かったんだろうな…


どれだけ素早く動いてんだよ…


俺はいつも に甘えてたのか?


『土方さん…入ります』


『あ?……あぁ…総司か』




『報告書です……あと ちゃん泣いてましたよ…何怒鳴ってたんですか?
ちゃんは強い子ですけど、女の子ですよ。
女の子にあんなにキツく言ったら怖がられるでょうね』


ハハッと総司が笑って、一瞬に俺を睨みつけた。


『報告書を持ってきたついでに報告しときます…僕、 ちゃんのこと好きですから』


『……』


『良かった…ライバルが1人減りました』


総司は悪意な笑みを浮かべて俺を見ている。


『土方さん、大丈夫ですよ、 ちゃんのことは僕が慰めときますから』


ゆっくりと襖が閉められる。


俺と の間が大きな壁で閉められるように……。









それから は俺を避けているように感じる。


気のせいか?


いや、気のせいじゃない。


っ……』


ちゃーん』


『ひ、土方さん!ごめんなさい』


を呼んだ総司の傍にいく


『…クソッ…』


会いたくてたまらない、

愛おしくてたまらない、

…壊れてしまうほど抱きしめたい。

他のヤツの所になんて行かせたくない。

離れたくない。

傍に…いて…



『総司!』


『何ですか?土方さん』


『今日の夜、 に俺の部屋に来るように言っておけ』


『どうして僕がアナタの力にならなくちゃいけないんです?』


『ライバルだからだ』


俺はニィと口角を上げる。


『今夜、 を俺のもんにしてやる』


総司に背を向け去る。






総司は約束通り に伝えたらしく が俺の部屋に来た。


「し、失礼します」





入ってきた直後、俺は を抱きしめた。


『すまん… …おまえに隠し事なんてできねぇよな…』


「え?」


『俺、考えてたんだ…これからこの辺は戦いで危険になる…おまえの身も危なくなる』


急に抱きしめられ、混乱している。


『だから…おまえを…新選組から離そうと…
でも、迷ってたんだ…おまえが死ぬのはイヤだ!でも、おまえを離したくないって』


「土方さん…」


『おまえが… が!好きで好きで仕方がない…
ここで を解放した方が幸せだと思うげど…おまえを離さない!ずっと俺の傍にいろ!』


「はい…私は土方さんの隣にいた方が幸せです」


『あぁ…俺がおまえを守ってやる…』














『はぁ・・・ほんと・・土方さんには敵わないや・・・何もかも・・
 僕・・・泣いちゃいそう・・・ ちゃんまで取られちゃった・・欲張り土方さんめ!!』